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散水試験報告書例6:デザイン重視の木造住宅で雨漏り

1.はじめに

✕✕建築設計事務所様より、〇〇様邸の雨漏り調査依頼を受けました。0000年0月0日(木)下見確認、0000年0月0日(日)8:30~17:00、〇〇様邸にて、雨漏り診断士1名同行の上、散水試験を実施しました。雨漏り診断士として、結果を報告致します。

2.雨漏りのメカニズム

3.散水試験実施

①浸出箇所:1F和室

1F和室上部にある2Fリビングサッシは以前に補修されていますが、外壁左官部分(向かって左側の補修箇所取合い)にひび割れが見られるために、散水しました。天井点検口から確認すると、短時間の散水で、水が浸出しました。雨漏りします。向かって左側の補修箇所取合いから浸入しました。

②浸出箇所:1F寝室横ウォークインクローゼット・ホール天井

リビング木製建具敷居において、防水として板金のジョイント部の処理方法が確認できず、雨仕舞い上のリスクがあるために、パテで堤防をつくり、水を溜めようとしましたが、ガラス押さえ金物下端から水が漏れ、滞留できないために散水しました。

5分以内の短時間散水で、クローゼット部に一気に大量の水が浸出しました。

しばらく経過すると、ホール天井部からも浸出しました。天井点検口から確認すると天井石膏ボードの上に水が滞留しました。天井石膏ボードに滞留しました。

時間をおいて、水が流れなくなってから、散水位置を少しずらしました。しばらくすると浸出が再開しました。方向を変えた位置に散水すると直接その位置からは漏りませんが、水が徐々に回ってきて同じ位置から浸出しました。長時間雨が降り続けば、水は少しずつ敷居を伝わって浸入するものと思われます。敷居周りは全体に雨漏りするものと想定します。

敷居レール位置に水が滞留しています。室内側にも滞留しています。フロアー取合い部はシーリングが施工されていますが、防水機能まではありませんので、容易に浸入します。

その後に、最上部のパラペット笠木からの浸入の可能性を確認しました。1F和室の上部にあたる笠木板金留めコーナー部に散水しました。

③浸出箇所:1F和室

天井点検口から確認すると、約30分散水で位置が少しずれて浸出しました。

同じく位置をずらして、笠木板金継手部に散水しました。

③浸出箇所:1F和室床の間部を想定

〇〇様が湿っているとの指摘です。

1F和室床の間近辺には浸出しませんでしたが、想定外の2Fリビングソファ上部天井から雫が垂れ出しました。(〇〇様確認済)。条件が変われば1F和室に回る可能性があります。〇〇様は、そういえばこのあたりも湿っているような気がしたとのことです。雨漏りします。

工事中の施工写真を確認すると、笠木板金の下には、“透湿防水シート”が施工されているようです。水平部は屋根・防水の扱いが必要であり、外壁用の透湿防水シートでは無理があります。材料メーカーも禁止しています。笠木板金の下部には本来の防水シート(ゴムアスなど)を施工すべきです。

4.結論

今回の散水試験実施により、〇〇様宅で雨漏りが証明できた部位は下記の3点で、雨水浸入は確実です。

1F和室上部にある2Fリビングサッシ周り
2Fリビング木製建具敷居
パラペット天端の板金周り
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