2次防水なしで外壁施工した事例
某ハウスメーカーの実例です。コスト縮減を目指して、改善を加えたつもりなのでしょう。2次防水である下葺き材をなくし、1次防水の外壁サイディング材だけで対処しようとしました。外壁サイディング材を剥がしてみると、確かに下葺き材はありませんでした。外壁通気層もなく、構造体に外壁サイディング材が直張りでした。
雨漏り対策の重要な要素である2次防水を施工しないのですから、当然に雨漏りは発生します。雨漏り発生率は100%確実のはずです。某ハウスメーカーは、結果的に無理と判断して、半年後に下葺き材の施工を復活させましたが、大量に建物を供給する大手ですから、全国に多くの下葺き材のない建物が残されたはずです。
外壁サイディングに施工されたシーリングだけで、雨漏りを防いでいることになりますから、そもそも間違った発想です。技術者として、やってはならないところでコスト縮減をやってしまったのです。技術部門の発言力が弱かったということになります。
某ハウスメーカーは本件に対する後始末をどのようにしたのでしょうか?
外壁サイディング材を全て剥がして、下葺き材を施工し、通気層を確保してから、再度外壁サイディング材を施工することが本来の姿です。しかし、そういう話は聞きません。
シーリング材の打ち換えや、外壁塗装の無償補修で終わった可能性があると思います。施主はハウスメーカーが無償で補修してくれたことを、むしろ喜んでいるのではないでしょうか。しかし、経年劣化する将来的には、本来の性能を発揮することはありません。