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30年周期説

雨漏り補修工事を行う際、屋根・外壁の一部をめくってみると、2次防水のどこかに不具合が発生している場合が多いです。そもそも2次防水に適正な材料の使用と、適正な施工がなされれば雨漏りは発生しません。

一般的に、入居後の屋根・外壁のメンテナンスについて、「10年目再塗装・20年目再塗装・30年目屋根外壁材をめくってやり直し」を繰り返す「30年周期説」がよく言われます。これは、“企業側の論理”です。

一方、我々“消費者側の論理”としては、「諸般の事情」が必ずありますので、「15年目再塗装、30年目再塗装、45年目やり直し」というように少しずつ引き伸ばしたいわけです。これらの中間で判断していくことになります。

2次防水であるアスファルトルーフィング・アスファルトフェルト・透湿防水シートは、竣工引渡し後に、劣化の程度を確認するための目視検査が事実上できないため、雨漏りして初めてめくることになります。外から見えない部位ですから、下葺き材の品質確保と、施工の丁寧さが要求されてしかるべきです。後から見えなくなる部位には配慮が必要です。適正な材料の使用と適正な施工です。工事施工記録の写真も必要になります。ビジネスですから必ず記録が必要です。

雨漏り撲滅に対して肝心な下葺き材の施工ですが、屋根・外壁ともに、比較的簡単な仕事とされており、経験年数の少ない若い職人が、親方から急がされながら施工することが多く、早く施工することだけが正義という位置付けにされており、丁寧な施工がされにくい状態です。本来は雨漏りの生命線を担う仕事なのですから、丁寧な施工が求められ、作業終了後、充分な検査をしてから、次の工程の職人に引き継ぐべきものです。本来なら、前の工程の施工に異常を感じるならば、次工程の施工者は引き受けてはならないものですが、知らん顔で引き受けて施工しまう場合が多いです。

屋根・外壁の下葺き材は、建物の耐久性上極めて重要ですが、高級で耐久性のある材料を使用しても、建築主には理解されにくいところがあります。一般には「下葺き材に素晴らしい材料を使用しています」といってもアピールには全くなりませんので、完全無視されます。高級な屋根材・外壁材の採用やシステムキッチンに少しでも、高級品を採用する方が、インパクトがあり、建築主に評価されます。施工側の営業として下葺き材に力を入れて説明することは絶対にありません。話題にもなりません。建築主も下葺き材のことは気にしません。建築主から質問がない限り、営業としては余計なことを説明しません。

結果的に外部から見えないところに予算をかけにくいのです。だからこそ、現場施工系の技術屋は、下葺き材の重要性を認識して、下葺き材施工を適正に管理しなければなりません。

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