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メンテナンスフリー

多くの建築主が好む言葉として、「メンテナンスフリー」があります。メンテナンスが不要で、手間もコストもかからないという意味です。建築主が好むために、住宅会社もメンテナンスフリーの材料なるものをしきりに建築主に推奨します。

外壁にタイル張り施工を進められることがあります。理由はデザインもありますが、「コスト上昇になりますが、タイルはメンテナンスフリーですから、永い目でみるとコスト縮減になりますよ」というものです。

建築においてメンテナンス不要という材料はありません。永くもつものは可能であっても、建物を継続使用する以上、メンテナンスは必要なものです。

建築物の瑕疵担保期間は、木造で1年、その他の構造で2年とし、故意または重大な過失による場合は5倍とされていました。

建物の長寿命化が、社会的に要求されるようになり、2000年施行の、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により、「構造」と「雨漏り」については、保証期間が10年となりました。

更に、2011年の「別府マンション事件」最高裁判例において、「建物の基本的安全性を損なう瑕疵、放置すればいずれは危険が現実化する瑕疵(潜在的危険性)が存在する場合、民法上の不法行為責任(除斥期間は気付いてから3年、最長20年)が問われるという判断が示されました。基礎の瑕疵は建物の基本的安全性を損なうことになります。保証期間が10年→20年になるという意味になります。

不法行為とは、下記の3つが示されていますが、施工業者という会社だけでなく、現場管理者個人にも責任が及ぶ可能性があり、建築主と直接契約を結んでいない設計者・施工者も不法行為責任を追及される場合があります。

①構造耐力に関わる瑕疵(基礎など)
②構造耐力には関わらないが、放置すると人身被害につながる瑕疵(タイル剥落など)
③構造耐力には関わらないが、放置すると健康や財産が侵害される瑕疵(雨漏りなど)

ここで②をみて下さい。タイルはメンテナンスフリーの材料として推奨されてきましたが、タイルの剥落は不法行為責任を追及される可能性があります。タイルの場合は剥落に至る前段階ですが、下地からの”浮き”という現象が起こります。メンテナンスフリーというだけの理由で安易に採用するとリスクがあることになります。しかも最長20年間にわたります。

不法行為に至る芽を完全に摘まなければなりません。争いになった場合には、裁判官の判断の予測がつきにくいですが、方向性としては、施工者側に厳しい方向に向かっているものと認識して下さい。

「建物は、何年の耐久性があるか」というものではなく、「建物を何年持たせるか」という建築主の意識でどうにでもなります。悪い部位については補修を行い、補修できない部位については、部材を取り替えることにより、問題ない状態にすることが可能です。つまり建物を半永久的にもたせることが可能になります。意識だけの問題です。

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