トラブルにおける「ハインリッヒの法則」
「ハインリッヒの法則」は労働安全衛生の有名な法則です。
「1:29:300の法則」ともいわれています。
現実にこれらの割合で現場の労災は発生しているという分析結果です。
アメリカの保険会社の社員が分析した結果です。
重傷災害が1発生するかげには、29の軽傷災害が発生している。300のヒヤリハット(ヒヤッとした、ハッとしたが事故災害にはならなかった)が発生していることになります。
(電気関係の方はハット・ヒヤリというようです。)
本来は、軽傷災害やヒヤリハットを見つけて、重傷災害が発生しないようにすることが主旨だと思いますが、現実は重傷災害が発生して初めて現場を見直すと、随分多くの問題点があると気付くことが多いです。
畑村洋太郎さんは同じ図を使って「失敗学」を説明しています。人の失敗を学んで、自分が失敗しないようにすると、効率よく仕事を進めることができます。
①失敗学の法則(畑村洋太郎):
1件の新聞沙汰になるような大失敗(内部告発によることが多い)
29件の軽度なクレーム
300件のクレームにはしていないが気に入らないと思う。
建築業界の中では、1:29:300の割合で応用できるところは多くあります。
② 1:裁判・調停・弁護士で解決
29:上司がでて、値引き・サービス工事で解決
300:担当者が頑張って解決
多くの現場があると、少ないながらも争いに発展する現場も出てくるということです。中には弁護士が入らないと解決しない場合もあります。
③ 1:対処不能の雨漏り
29:頑張って直せる雨漏り
300:現在、雨は漏っていないが、職人は将来雨漏りする可能があると思っている
雨漏りに対してですが、現場の職人は取り敢えず甘い施工をしている可能性があります。監督も見逃している可能性があります。