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散水試験報告書例11:木造住宅モデルハウスの雨漏り多数

はじめに

①****年**月**日9:00現地にて、現状把握のための事前打合せを実施。

②****年**月**日現地にて、散水試験(〇〇氏・玉水・大工1名)実施。

散水試験結果を報告致します。

1.道路面真壁の柱右側から、散水5分で、室内に雨水浸入

2.道路面真壁の柱左側から、散水5分で、室内に雨水浸入

3.道路面真壁の筋交い上部から、散水5分で室内に雨水浸入

4.道路面真壁のバルコニードア右柱右から、散水5分で室内に雨水浸入

5.道路面真壁のバルコニードア右柱左から、散水5分で室内に雨水浸入

6.道路面真壁のバルコニー左柱から、散水5分で室内に雨水浸入

7.道路面真壁のバルコニー端柱から、散水5分で室内・アクリル板内に雨水浸入

8.道路面真壁の筋交い下部から、散水5分で、室内に雨水浸入

9.事務所面真壁の胴差上束から、散水5分で、室内に雨水浸入

10.事務所面真壁の胴差上束から、散水5分で、室内に雨水浸入

まとめ

今回の散水試験により、雨水浸入箇所を、道路面で8箇所、事務所面で2箇所確認しました。これらの合計10ヶ所からの雨水浸入は確実です。いずれも5分以内の短時間散水で、雨水が徐々ににじみでることなく、一気に浸入しています。すべての木部に、全箇所散水試験を実施したわけではありませんが、同じ建物では、通常同じ納まりで仕事をするため、道路側・事務所側の真壁2面については、木部取合い部において、全箇所から雨漏りする可能性が高いといえます。

雨漏りの主たる原因としては、真壁の木部と、左官との取合いに、シーリングが施工されていますが、通称:三角シーリングと呼ばれる程度のシーリングですので、時間の経過とともにシーリングが切れて、雨水浸入を生じていると考えます。シーリング施工の不備に原因があると判断します。

シーリングには、適正な幅・深さ(8㎜以上)が必要です。接着性を確保するためのプライマー施工も必要です。現在のシーリングは雨漏り後に応急施工されたようです。

今後の対策として、既に本件建物は8年以上経過しており、通常メンテナンスが必要とされる10年には達していませんが、それなりの劣化が生じています。現在のシーリングを剥がして再度施工する時期といえます。その際には、現状から木部取合い左官に、サンダーでカットして、シーリングの適正な幅と深さを確保できるようにします。現在のシーリングの上から三角シーリング施工程度では、すぐに雨漏りが再発します。2面には足場架設が必要となります。理想的には新シーリングの上に、吹付け塗装を行うとよいです。本来なら新築時の段階で、木部と左官の取合いには、目地棒(幅・深さとも8㎜)を入れてから、左官を仕上げ、乾燥後に目地棒を外して、プライマー・シーリングを施工し、吹付け塗装するべきでした。

おわりに

雨水の出口は1箇所であっても、浸入口は1箇所とは限らず、複数の浸入口がある場合も多く、すべての雨水浸入口を完全的確に見つけることはかなり難しいです。下から舞い上って上に向かって入る雨水もあり、雨水の浸入口を完全に見つけきれなかった可能性もあります。例えば、軒天と外壁取合いなどです。

以上、報告します。玉水新吾

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